「NICHIAではたらく」を知るマガジン

2025.04.21
【女性活躍推進】誰もが幸せを感じられるMIRAIへ─社長の想い─

代表取締役社長小川 裕義
プロジェクトの目的は、全社員が幸せを感じる職場にすること
NICHIAが2022年から取り組んでいる「女性活躍推進プロジェクト MIRAI」について小川社長に話を聞きます。まず、このプロジェクトが何を目的として立ち上げられたのかをお話しいただけますか?
NICHIAの存在意義は、事業を通じて社会の⼈々の幸せな⼈⽣に貢献する事です。
そのためには、まず社員⼀⼈ひとりが働きがいを感じ、幸せを実感できる環境であることが⽋かせません。
「女性活躍プロジェクトMIRAI」では、⼥性社員に今まで以上に活躍してもらえるように環境を整えることに焦点を当て、結果的には会社全体の働きがいが向上し、全社員が充実した⽣活を送ることを目指しています。
さらにNICHIAは、徳島県内で約9000⼈が働く企業です。
⼥性が活躍する職場を実現することは、地域社会の活性化や⼈⼝流出の抑制にもつながる重要で意味のある取り組みだと考えています。
女性活躍に焦点を当てたのは、何か課題を感じられていたからでしょうか?
女性には今⾒えている以上の能⼒やパワーがあって、それを最⼤限に活かすことで会社全体の⼒を引き上げ、さらなる成⻑につながると考えています。
NICHIAには、創業以来、フラットでオープンな⼈間関係が根づいており、その⾃由闊達な風土が数々の世界初を含む成果を生んできたと自負しています。⼀⽅で、事業分野や勤務条件の関係から、特に現場では⼥性社員の⽐率が低い状況が続いていました。その結果、女性管理職数が増えにくく、外部からは男性中心の会社のような偏ったイメージを持たれてしまう可能性があったかもしれません。
こうした課題を見過ごさず、改善のために表に出し、社員全員が能力を最大限発揮できる環境を目指すことが、私たちの取組みの原点です。
社員主体のプロジェクトであることに意味がある
どのようにプロジェクトが進んできたかお話しいただけますか。
「MIRAI」を2022年に立ち上げてから、プロジェクトに対する想いは、私自身からも社内イントラネットを通じて伝えていますし、プロジェクトチームからも折に触れて発信しています。
具体的な取り組みは、メンバーが⾃主的にアイデアを出しながら進めてきました。最初はどうしても「⼥性活躍」という名称に対する違和感や、⾃分には関係ないと思う⽅もいたと思いますが、チームの⼯夫によって徐々に社内の理解と協力を得て、周りを巻き込みながら活動を拡げています。
実際に活動をスタートさせてみて、何か気づきはありましたか?
⼥性社員がアシスタント的な業務に従事しているケースが多いことを改めて認識しました。アシスタント業務も⾮常に重要な役割のひとつですが、管理職側の意識として、男女を公平に業務配分や教育・評価が出来ているとは⾔えなかったのではないかと考えています。
これは、NICHIAだけでなく、⽇本社会全体の課題でもあるでしょう。また、⼥性の中には、こうした環境に違和感を持たず「このままで良い」と思っている⼈もいたかもしれません。もちろん、価値観は人それぞれであり、管理職になることを無理強いするつもりはありませんが、⼥性社員の本音を理解することには大きな意味があると考えています。
誤解のないように付け加えますが、当初から男女の別なく教育・評価を実施し、女性がリーダーシップを発揮している部署もありました。これは⼥性社員⾃⾝の能力や性格に拠るものだけでなく、上司がその力を引き出し、業務や環境を整えた結果だと思います。
現時点で女性活躍推進プロジェクトの効果をどのように感じられていますか?
このプロジェクトはすぐに効果が出るものではありませんが、少しずつ変化を感じています。例えば、⾃分のキャリアプランに、管理職という選択肢を⼊れて考える⼥性社員が増えてきました。そのためにスキルアップに向けて動き出す社員も多くなっています。
これは、MIRAIが実施してきた研修の影響もあると思います。地道な意識改⾰が実を結ぶことを、私⾃⾝も改めて実感しました。特に若い世代の管理職の意識が変わってきているようです。⼥性社員が、⽉次の技術発表などの場に出ることが増えていますし、役職者として活躍する人も少しずつ増えつつあります。
働きやすさのルーツ_地域の暮らしの中で生きる会社
一方で、働きやすい職場という面では、NICHIAはかなり前から手厚い配慮をしていますよね。
それはもう、昭和の時代から続く取り組みです。この地域では兼業農家として働く従業員も多かったので、会社の仕事と家庭の仕事を両立できる環境を整えることが必要でした。同じように、⼥性が出産や育児を経て職場に戻りやすい仕組みをつくることも重要視してきました。
なるほど、腑に落ちました。後からワークライフバランスを整えたのではなく、地域の方の暮らしや人生の中にNICHIAの仕事があったわけですね。だからこそ働きやすいことが前提だったと。
そうです。フラットな社⾵も、この地域での働きやすさを大切にした結果、生まれたものだと思います。創業者は、「おっさん」と親しみを込めて呼ばれるほど、従業員にとって近い存在だったと聞いています。そのような雰囲気が当社の強みでもありますが、一方で女性のキャリア形成の面では課題がある部分でもありました。
⼥性が⼒を発揮するには、男性の理解や協⼒がとても重要です。最近では、男性社員が育児休業を取得するのは珍しいことではなくなり、周囲もそれを自然と受け止め、復帰後もスムーズに仕事に戻って活躍しています。こうしたことが実現しているのも、「お互い様の精神」が会社全体に根付いているおかげです。この精神を守り続けてくれている社員たちは本当に素晴らしく、心から感謝しています。
先日行った私の「イクボス宣⾔」には、職場全体で協力し合う雰囲気がこれからも続いて欲しいという願いを込めました。
「女性活躍」の名前が消える日を目指して
「女性活躍」という視点で、今後目指すのはどんなことでしょうか。
まずは、⼥性社員の⽐率をもっと⾼めていきたいですね。現在も多くの分野で⼥性が活躍していますが、これからは技術や開発の部門でも、斬新なイノベーションを生み出せるような志のある方に⼊社していただきたいと考えています。
そして、⼥性の管理職がさらに増えることを期待しています。政府が推進しているからとか、⼥性だからとかいうことではなく、本⼈に意欲があって、「この⼈ならふさわしい」と思えるような方が、自然に管理職や幹部社員として、将来的には会社の舵取りをする役員として活躍する環境を目指しています。これからが本番だと思っています。
NICHIAはこれまで世の中にない技術を創り出してきました。新しいものを生み出すためには多くの困難を乗り越えなければなりませんが、厳しい時こそ、その先の世界を楽しみにして、みんなで踏ん張り、挑戦し続けることが大切です。
そのために、全員が活躍できる環境でなくてはならないんです。男女が同じように活躍できるようになった時、「女性活躍」という名前が不要になる。それこそが、本来目指している理想の姿だと思っています。