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研究/技術

2025.04.25

【中途向け】研究開発の最前線で「光」の新たな領域へ

日亜研究所 第二部T.S.

2022年入社

※所属は2025年2月28日時点

量子の世界から、光の世界へ

まずは簡単なご経歴を教えていただけますか?

出身は福岡で大学からは関東に上京しました。大学院では量子コンピューティングを研究しており、卒業後は電機メーカーで主に電子回路設計を担当しました。その後、転職してNICHIAに入社しました。

 

先進的な分野を専攻されていたのですね。なぜその道を選ばれたのですか?

「人類の歴史にとって、本当に意味のある技術とは何か」と考えたことがあるんです。エネルギー分野なら核融合、情報処理の分野なら量子コンピューティングだなと。その中でも一番、進化の可能性が残されている分野が量子コンピューティングでした。まだ実用前夜の技術ですが、世の中にない技術の開発・研究を進めるという意味では、NICHIAの仕事と共通している部分があると言えるかもしれません。

 

NICHIAへの入社は、どのような経緯だったのでしょうか?

大学院の研究室に、今の部署に在籍していた先輩がいて、その方から「うちに来ないか」と声をかけていただいたのがきっかけです。中途採用サイトからエントリーしましたが、実質的にはスカウトに近い形だったかもしれません。
何よりも心を動かされたのは、先輩から事前に「やりたいことに挑戦できる環境がある」と聞いていたことが大きかったですね。研究開発に本気で取組む姿勢や、青色LEDをはじめとした先進的な技術に対する実績もあり「自分の技術を活かして、新しいものつくりに関われるのではないか」という期待がありました。

 

すべてに関わるからこそ、見える未来がある

現在の業務内容について教えていただけますか?

私が所属する横浜研究所では、青色LEDをベースとした光デバイスの研究開発や、光全般を使った応用探索の研究を行っています。私が担当するのは、光デバイスの応用提案と、新しいアイデアや技術などが「実現可能かどうか」を検証するための試作・動作検証です。まずは設計を行い、製造設備でデバイスを作り、動作を検証するといった一連の作業を自分の手で行っています。

 

設計から製造、検証までを一人で担うというのは、珍しいスタイルですね。

そうですね。前職では設計と製造、検証が完全に分業されていました。今はすべての作業を一人で手掛けているため手間もかかりますが、そのぶん研究に対する理解も深まりますし、設計にフィードバックをかけやすいという利点もあります。

 

専門外の知識を習得するのは、かなり大変だったのではないですか?

正直、最初はかなり戸惑いましたね。作っているデバイスも違うし、半導体製造装置を使うのも初めてでしたから。装置の使い方についてもマニュアルがあるわけではなく、現場で詳しい人に聞きながら一つずつ覚えていくスタイルです。通常の会社であれば専属の担当者が装置を動かすことが多いと思うのですが、横浜研究所では各人の柔軟な運用が許されているので、より自由に研究を行える環境だと言えます。

開発者の挑戦を支える強い製造基盤

どのような場面に仕事のやりがいを感じますか?

やはり、自分自身の手で設計や製造を手掛け、それが実際に動いた瞬間ですね。学生時代から電子回路を自作するのが好きでしたが、より高度な環境で開発に携わりながら「自分でも新しいものを生み出せるんだな」と実感できます。特にLEDやLD(半導体レーザー)は光るので成功の可否がわかりやすく、上手くいったときの達成感は格別です。

 

逆に大変だと感じることはありますか?

先ほどの話にもつながりますが、NICHIAは「作りたいものがあるなら、段取りから全部やってください」というスタンスです。必要なものを自分で準備して、すべてに責任を持って取組んでいく。これは非常に大変でもあるし、一方で非常にやりがいがある部分でもあります。
部署の垣根も低く「それ、うちの部署でやるよ」と自然に助け合う風土があります。和気あいあいというより、一匹狼がうまく共存しているような雰囲気に近いかもしれません(笑)。私は正直、幅広い作業を同時にこなすのは得意ではないのですが、周囲のサポートに助けられながら日々楽しく仕事と向かい合っています。

 

NICHIAの強みは、どんなところにあると思いますか?

すべての製品を徳島で作っている製造体制が、会社としての本当の強さだと思います。特にLEDやLDを量産できる会社は世界でも限られていますし、長期にわたって一貫生産している実績は大きな強みです。価格競争力や性能競争力をここまで高いレベルで保持し続けられているのは、独自の製造ノウハウを守ってきたからだと思います。そうした強い製造基盤があるのは、私たち社員にとっても非常に心強いです。

自分のスタイルを活かせる職場だから

職場の雰囲気はいかがですか?

非常にフラットな雰囲気ですね。前職が外資系だったので業績を数字で評価されることが多かったのですが、NICHIAでは周りとコミュニケーションがとれているか、自分のやるべきことに取組めているかを上司がしっかりと見てくれていて、そこが評価の対象になっていると感じます。

 

クリアすべき課題が多い仕事だと思いますが、残業などはありますか?

基本的な就業時間は8時半から17時半までです。会社は勤務時間をしっかり管理していて、残業も分単位で記録されています。私は仕事をしている時間が一番楽しいのでついつい残業することも多いですが、もちろん定時に帰宅しても何の問題もありません。

 

数字だけに縛られることなく、やるべきことに集中できる環境なのですね。

誰もやったことのない新しい研究って、最初から明確な数値目標を立てるのが難しいことも多いですから。周りとの関係性や本人の熱意を評価し、先輩や上司が気持ち良く背中を押してくれる環境こそがNICHIAの魅力だと思います。

 

今後の目標などがあれば教えてください。

将来的には自分の研究を通じて世界市場を動かすような製品をつくり、ゆくゆくは量産化につながるような仕事をしたいと思います。これからも「本当に好きなこと」を仕事にできている喜びを感じながら、NICHIAにしかできない技術革新に挑戦していきます。

 

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