「NICHIAではたらく」を知るマガジン

2025.04.23
【対談】チームで挑む、リチウムイオン電池用正極材料開発の最先端

MEMBER
-
-
第一部門 技術本部 製造技術部
T.H.(2020年入社)
エネルギー問題への興味からNICHIAに入社。持続可能なエネルギーソリューション開発に関わる喜びを感じている。
-
-
第一部門 技術本部 開発部
H.M.(2023年入社)
さらなる成長が期待される電池業界に魅力を感じ、入社を決意。現在はリン酸鉄系正極材料の開発を担当している。
-
-
第一部門 技術本部 開発部
Z.O.(2018年入社)
最先端技術の開発環境を求めNICHIAに中途入社。前職の経験を活かし正極材料の新製法探索を行う。
-
-
第一部門 事業企画室 事業企画グループ
Y.B.(2022年入社)
大学で学んだ化学系の知識を活かしたいとの思いから地元企業のNICHIAに入社。開発部署から事業企画に移動し、原価や収益について勉強中。
-
-
第一部門 技術本部 開発部
T.K.(2005年入社)
自社開発した正極材料を社会に役立てたいという思いを胸に、個性豊かなスタッフを率いる。
※所属は2025年2月28日時点
個々のチカラを、強固な組織力に
今回はNICHIAの第一部門でリチウムイオン電池用正極材料に携わる皆さんにお集まりいただきました。まずは、それぞれの仕事内容を教えていただけますか?
H.M.
-
入社以来、リン酸鉄系の正極材料の商品開発に携わってきました。どうすればお客さまにご満足いただけるかを考え、日々試行錯誤を繰り返しながら、お客さまからの品質合格に向けて商品サンプルを作成しています。
Z.O.
-
技術開発部で、正極材料の新規製法探索を担当しています。お客さま相手というよりは、基礎研究に近い仕事です。正極材料をより効率的かつ低コストで製造できる方法を探索しています。
T.H.
-
H.M.さんやZ.O.さんの部署を通じて正極材料が品質合格を果たした後、量産化に向けて製造手法を確立するのが製造技術部の役割です。求められる品質をしっかりと満たしながら、いかに安価で合理的に生産できるかを探っています。
T.K.
-
私は、ニッケル・コバルト・マンガン系の正極材料を担当しています。私の担当工程は、沈殿反応を用いてリチウムを加える前の粒子を合成する過程であり、その合成した材料を後の工程に渡しています。入社して20年近くになりますが、今は技術本部の課長として開発や製造のマネジメントも担当しています。
Y.B.
-
事業企画室は、開発や製造の方々が作った正極材料をいかにして販売し、収益を立てていくのかを計画する部署です。私は原価試算や業績分析、収益予測などを担当していますが、自分の試算が経営判断に関わるため、大きな責任を感じています。
常識を疑い、新たな境地へ挑む
正極材料の開発に携わる中で、特に意識していることや大切にしていることはありますか?
T.H.
-
製造の現場においては、やっぱり「挑戦」する姿勢こそがNICHIAの根幹だと思っています。守りに入ってしまうと、電池業界の激しい競争を勝ち抜くことはできません。
H.M.
-
本当にそうですよね。コスト競争では勝てない部分があるので、開発部でも「NICHIAだからこそ選ばれる」という製品を開発し、他社との差別化を図っていかなければならないと思っています。
Z.O.
-
私が座右の銘にしているのは「常識を疑う」ことです。既存の考え方にとらわれず、常に新しい製法やアプローチを追求する姿勢が研究開発の仕事には不可欠だと感じています。会社のスローガンの中にも「勉強しよう」という言葉がありますが、常に何かを学びながら自分の頭で考えて動くことを大切にしています。
Y.B.
-
私の部署では他部署と連携して業務を行うことが多いため、円滑なコミュニケーションを特に大切にしています。設計や製造を担当する方々に「こういう製品を作ってください」とか「これくらいの予算で作ってください」と依頼をすることが多く、さまざまな部署と調整を重ねながら物事を進めることが多いですね。
T.K.
-
どうしても日々の業務に追われて、新しいことに取組む時間や余裕が失われがちですが、マネジメントを行う立場になった自分自身としても、いかにして現場の意欲を引き出すかを試行錯誤していかなければならないと思っています。
開発現場を支える喜びと達成感
新しい技術革新や事業計画を追い求める中で、仕事の「やりがい」を感じる瞬間はありますか?
T.H.
-
他部署やメーカーの担当者と一緒に「どうすれば品質を保ちつつコストを下げられるか」を考え抜いた設備が、実際に導入されて稼働する瞬間です。日々の製造プロセスの情報から課題を抽出し、品質改善やコスト削減を追い求めてきた苦労が報われる瞬間でもあります。
H.M.
-
提案用のサンプルを開発する中で、自分の工夫やアイデアが評価された時は大きな喜びを感じます。周りには若手が多いこともあり、チームで協力しながらエネルギッシュに仕事と向かい合うことができています。
Z.O.
-
これまで誰もやっていない方法で、良いものを上手に作れるかを考えることに面白みを感じています。新しいやり方で良い特性が出たり、スケールアップに成功したりした時の達成感があると、また次も頑張ろうと思えますね。前職も開発職でしたが、NICHIAではより自由に、挑戦的に取組めているという実感があります。
Y.B.
-
正極材料全体の事業を見渡すポジションを経験させてもらい、ものつくりをビジネスとしてどう成立させるかを日々体感しています。コストの見直しや利益の確保には責任も伴いますが、だからこそやりがいも大きいと思っています。
T.K.
-
開発においては、自分が条件設定してつくった材料で狙った特性が出た時にやりがいを感じます。また、街中を走る車を見て「この車にはNICHIAの正極材料が使われている」と感じられる時に、言葉では言い表せない喜びを感じます。
次の挑戦を支える企業風土がある
日々の業務の中で「NICHIAの強み」はどこにあると感じますか?
T.H.
-
新しい技術やアイデアに対して、会社が前向きにバックアップしてくれることです。高額な検査装置の導入をお願いした際にも、思った以上にすんなりと承認され「本当に買ってくれるんだ」と驚いたことがあります。
H.M.
-
T.H.さんがおっしゃる通り、新しいことを提案すると「やってみたら?」と後押ししてくれる社風があるのはNICHIAならではだと思います。困ったときに周囲に相談しやすいのも、ありがたいですね。材料の調達先を選んだり、装置の導入を考えたりする際にも、他部署の先輩方がとても親身になってサポートしてくれます。そういう助け合いの風土が根付いていることも、当社の強みの一つではないでしょうか。
Z.O.
-
おっしゃる通り、前職と比べて感じるのは「人との距離の近さ」です。転職直後は、部長や本部長クラスの方が同じフロアで働いていて、いつでも気軽に話せる社風に驚かされました。誰とでもフランクにコミュニケーションが取れることが、ストレスの少ない職場環境につながっています。
Y.B.
-
そうですね。私も上司との距離が近くて話しやすいと感じます。また、徳島県内に事業所が集約されているのも大きな強みだと思います。部署をまたいでの会議やトラブル対応などに、いつでも迅速に対応することができますから。
T.K.
-
皆さんがおっしゃるように「新しいことに挑戦できる風土がある」というのが一番の強さだと思います。今は承認側に立つことが増えてきたので、本気で挑戦したいと願う方々の背中を押せるよう、私自身もしっかりと取組んでいきたいです。
それそれが描くNICHIAの未来へ
今後の目標などがあれば教えてください。
T.H.
-
今後も「良いものを安く作る」という製造技術部の基本方針を大切にしつつ、効率化や安定稼働をさらに突き詰めていきたいです。そのためにも、今後はデジタル技術の活用が鍵になってくると思っています。AIやIoTなどを最大限に活用し、異常検知や品質管理の自動化を実現していきたいです。
H.M.
-
今まで多くの方に支えられてきたので、次は自分自身が周りの方々から頼られる存在になりたいです。少しでも皆さんの役に立てるよう「この分野なら自分に聞こう」と思ってもらえる専門性を身につけたいですね。
Z.O.
-
これまでと変わらず、新しい製法の開発に挑戦し続けていきます。他業界では当たり前だけれど、正極材料分野では未導入の技術をうまく融合し、NICHIAの未来を牽引するような新しい独自技術を生み出したいです。
Y.B.
-
収益や原価についての理解をさらに深め、将来的にはここで学んだことを以前に所属していた技術部で活かしていきたいです。当社は上司にやりたいことを相談しやすい環境が整っているので、これからも自分の目標に向かって挑戦し続けます。
T.K.
-
電池開発競争は激しさを増していますが、世界のトップシェアを誇った時代に少しでも近づき、「NICHIAは正極材料の会社だ」と世界に認めてもらえるように頑張りたいです。企業理念である「より明るい世界のために限りなき研究を」の言葉を胸に、一丸となって目標に向かえる強いチームをつくっていきます。