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仕事

2025.04.23

【対談】最前線で挑戦を続けるLEDの開発者たち

MEMBER

  • S.Y.

    第二部門 継続革新商品開発本部 カスタムモジュール開発部

    S.Y.(2003年入社)

    主に特定用途向けLEDモジュールの開発方針の策定と進捗管理、海外の顧客との技術協議などを担当。
  • T.O.

    第二部門 先進商品開発本部 先進プロセス開発部

    T.O.(2021年入社)

    大学時代は物理を学び、NICHIAの開発力・技術力に魅力を感じて志望。現在は主に革新的な製品の開発プロセスを担当。
  • S.M.

    第二部門 先進商品開発本部 先進商品開発部

    S.M.(2005年入社)

    留学経験で培った語学力で、主に海外クライアントとの信頼性規格策定や法規提案などを担当。
  • R.N.

    第二部門 チップ開発部

    R.N.(2021年入社)

    大学時代からLEDの結晶成長について学ぶ。現在は主にLEDの発光源となる窒化物半導体の結晶成長を担当。

※所属は2025年2月28日時点

多彩な部署とメンバーが作る世界最高レベルのLED

まずは、皆さんの業務内容からお聞きしてもよろしいでしょうか?
S.Y.S.Y.

LED開発と一言で言っても、さまざまな部署があります。たとえば、R.N.さんは、チップ開発部で、LEDの発光源となるLEDチップの開発を行っています。一方、私たちが所属する先進商品開発本部は、大きく分けると、LEDチップを様々な部材と組み合わせ、ニーズに合わせた性能を出す電子部品にする「LED開発」、そのLEDと他の電子部品やIC、基板、光学部品を組み合わせてモジュール化する「LEDモジュール開発」、それらの製造工程を一から開発する「プロセス開発」、LEDやLEDモジュール、LDなどを使った最終商品を模したデモ機を作製しお客様へ日亜製品の使い方を提案する「ソリューション開発」などの部署があります。私自身は、このうちのLEDモジュールを開発する部署の管理職として、開発方針の策定と進捗管理、海外を中心とした顧客との技術協議などを担当しています。

T.O.T.O.

先進商品開発本部の「先進プロセス開発」という部署に所属しています。革新性の高い製品の開発を行っており、これまでになかったプロセスをどう創っていくかを考えるのがメインの仕事です。まだ異動して1年なので慣れないところもありますが、チームの方々と協力しながら自分にできることを頑張っています。

S.M.S.M.

私の担当は、主に車載LEDパッケージの信頼性規格策定と、製品を市場に出すための国内外を対象とした法規提案です。部署としては設計になるのですが、私自身はものつくりに直接関与するのではなく、間接的に車載LEDに求められる信頼性や特性をものつくりに反映させる役割を担っています。海外のクライアントとのやりとりも多いですね。

R.N.R.N.

私が担当しているのは「紫外線LED」の研究・開発になります。まだまだ新しい分野ではありますが、水銀フリー社会の実現に向けて、今後の需要が高まるジャンルの一つです。研究・開発が進むにつれ、水の殺菌や医療分野での減菌、工業分野での接着剤の硬化など、用途も広がってくると考えられています。LEDチップの性能向上だけではなく、使い道に応じた仕様を考えるのも重要な仕事です。

キャリアの原点とNICHIAを選んだ理由

ありがとうございます。皆さん、それぞれ部署も異なりますが、経歴もさまざまだと思います。就職先としてNICHIAを選んだ理由はなんでしょうか?
R.N.R.N.

出身は東京なのですが、大学の研究室でLEDの結晶成長を研究していたため、この分野で有名なNICHIAについては知っていました。就職活動の時期に新型コロナウイルスが流行していたんですよ。自分が研究している紫外線LEDは殺菌力も高く「即戦力になりたい!」と入社を志望しました。今は研究者として、世界最先端の技術開発ができる環境を楽しみながら働いています。

T.O.T.O.

私は神奈川県出身で、R.N.さんと同じく関東から徳島へ来ました。実はNICHIAについてはまったく知らなくて。就職活動中にオファー型の就活サイトから連絡があり、開発力や技術力の高さに興味を持ちました。また、私は専攻が物理だったので「化学」と社名に入っている会社へ入社したら、化学が得意な同期とは別のアプローチができるんじゃないかという思いもありました。

S.M.S.M.

私はR.N.さんやT.O.さんとはちょっと違う形になります。学生時代にカナダへ留学していたので、地元である徳島でその経験を生かすことができる仕事を探していたんですよ。理系のバックグラウンドはありませんが、NICHIAが語学力のある人材を募集していたので、思い切って飛び込んでみました。海外の方々とコミュニケーションを取る機会も多く、双方の文化の違いを理解しながら業務を進める点に難しさと面白さを感じています。

S.Y.S.Y.

私は生まれも育ちも徳島。長男ということもあり、普通に地元で就職を考えていました。何のドラマもなくて申し訳ありません(笑)。ただ、ダントツの第一希望がNICHIAでしたね。正直、NICHIA以外は考えていませんでした。

チャレンジの積み重ねから生まれる大きなやりがい

それぞれの立場でLEDの開発に携わっていらっしゃいますが、どのような点にやりがいを感じますか? また、成長を実感する瞬間はありましたか?
T.O.T.O.

やはり、モノが完成した瞬間に一番やりがいを感じますね。それまでの苦労がすべて報われるというか、チームで頑張って良かったと思います。成長に関しても同じで、長期的なスパンで振り返ったとき、できないことができるようになっていたら、着実に前へ進んでいるなと実感します。以前の自分との比較ですね。回路の知識が増えたり、プログラミングが上達したり……。コツコツと少しずつ積み重ねた結果が見えてくると、成長したんだなとわかります。

R.N.R.N.

自分の部署が担当したLEDのチップが使われている製品をお店で見たときですね。もちろん、製品に「NICHIAのLEDチップを使っています」とは書かれていませんが、製品に関わっていると、自社製品かどうかある程度わかるので、紫外線LEDが使われている製品を見つけると、しばらくカタログを見て調べています(笑)。自分たちがつくった製品が広く社会で使われている。それが大きなやりがいにつながっています。今、研究・開発中の紫外線LEDも、さまざまな用途で社会に役立つはずです。

S.M.S.M.

私の場合、外部とのやりとりのなかで信頼性の規格を策定したり、法規を提案したりといった仕事ですから、自分自身がものつくりをしているわけではなくて……。業務の成果が目に見えるものではないので、皆さんが感じるやりがいとはちょっと違うかもしれません。求められる規格や法規って、ガラッと変わることも多いです。いつも“現在進行系”のようなイメージなので、成長を実感した瞬間というより、成長し続けている実感がより強く感じられますね。

S.Y.S.Y.

最初はLEDパッケージ、そして、今はLEDモジュールと、約20年にわたって設計に関連する部署にいます。自分が関わった製品が、工場で大量生産されている様子を見ると、達成感がありますね。自分が携わったノートPCやスマートフォンが市場に出て、実際に手に取ったときは喜びもひとしおです。また、製品の企画から販売まですべてに参画し、利益を出すことができた経験は、今までとは異なるやりがいを感じました。一緒に働く部下たちが成長し、それぞれに成果を挙げている点も、上司としてはとてもうれしいです。

未来を切り拓く個人の成長と組織の発展

今後の目標や挑戦したいことはありますか?
S.M.S.M.

NICHIAは新しいことにチャレンジすることに後押しを惜しまない会社です。今の仕事もその結果から生まれたものです。これからも今まで培った経験を活かし、新しいことに挑戦し続けられる人でありたいと考えています。

T.O.T.O.

もっと新しい知識や経験を貪欲に吸収し、人間的にも成長していきたいですね。現在の部署に異動してわかったんですが、それぞれ得られるものがまったく違うんです。同じLED関連であっても、所属する部署が変われば、やるべき使命や見える景色が変わってきます。自分の成長のためでもありますが、引いては会社のためになる知見が得られるといいなと思っています。

R.N.R.N.

NICHIAは常に「性能、世界一」というところに誇りを持っています。プロジェクトチームのリーダーになってからは“自分で考えて動く”ことを強く意識するようになりました。研究者や技術者としては、挑戦を支える充実したバックアップ体制が本当にありがたいです。実際、そのおかげで、私が担当する紫外線LEDも業界最高水準にあると自負しています。今後も他社の追随を許さない“攻めの開発”を続けていきたいですね。

S.Y.S.Y.

今、スマートウォッチをはじめ、スマートグラスやスマートリングのように、スマートフォンの次に来るであろうデバイスが続々と登場しつつあります。当然、それらの次世代デバイスにもLEDが搭載されていくわけです。開発者の一人としてうれしいのは、新しいガジェットの歴史に立ち会えるだけでなく、自分たちのつくったものが使われる可能性があるということ。何が主流になるかはわかりませんが、その第1号からずっとNICHIAのLEDを搭載させていきたいと考えています。

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