「NICHIAではたらく」を知るマガジン

2025.04.21
【女性活躍推進】女性のパワーを会社の未来のために─プロジェクトチームMIRAIの想い─

MEMBER
-
-
人事本部 女性活躍プロジェクト(MIRAI)
K.N.(2000年入社)
プロジェクト担当課長と秘書グループ長を兼任し、経営陣の社員に対する想いを胸にプロジェクト推進に情熱を注ぐ。
-
-
人事本部 女性活躍プロジェクト(MIRAI)
T.A.(1996年入社)
ものつくり現場と人材育成で培った経験に加え、積極的な問題提起が出来る資質がかわれ、プロジェクトメンバーに。
-
-
人事本部 女性活躍プロジェクト(MIRAI)
A.H.(2010年入社)
製造技術部⾨から、育児休業を経て⼈事本部へ異動。家庭でも職場でも全力投入!努力家の頼もしいメンバー。
※所属は2025年2月28日時点
女性活躍って何?MIRAIは、疑問をほどくことから始まった
「女性活躍推進プロジェクト MIRAI」のメンバーに集まってもらい、具体的な取り組みについて聞きます。まず、プロジェクトが始まった経緯を教えてもらえますか。
K.N.
-
2022年1⽉に社⻑直轄のプロジェクトとして発⾜しました。
このプロジェクトは、⼥性のキャリアアップによる会社全体の潜在能力の引き上げ、働き甲斐や働きやすさの向上、そして女性の採用拡大を主な目的としています。製造業の多くは男性中心になりがちで、当社も女性社員比率はまだ15%程度で管理職比率もまだ低い状況です。NICHIAは女性にとっても働きやすい制度が整っていますが、さらなる改善の余地があります。私たちは、イノベーションの可能性をさらに広げ、重要な意思決定をより適切に行うために、着実に前進しながら、「もっと⼥性に選ばれる企業」になることを目指しています。
T.A.
-
プロジェクト発足当初、私は「⼥性活躍推進法」の存在すら知らない状態でした。でも、⼥性活躍の⽬的や必要性を理解し、「もっと深く知って、プロジェクトに活かしたい」という思いで書籍やセミナーを通じて他社の事例や社会の取り組みを学びながら、急ピッチで知識をつけてきました。
プロジェクト発足当時、社員の反応はどうでしたか?
K.N.
-
発足当時、私自身もプロジェクトの必要性をすぐには理解できなかったように、多くの社員もその目的や意義をすぐには理解できなかったのではないかと思います。
T.A.
-
実際に、「⼥性活躍って何?」「なぜ急に?」「⽬的は何?」という疑問や、「⼥性を優遇するということ?」といった声がありました。例えば初年度に実施した⼥性向けの研修では、受講者に選ばれた⼥性社員の中にも、女性だけが参加することに戸惑いや抵抗感があったように感じています。そのため、私は受講者一人ひとりと面談やヒアリングを行い、研修に前向きな気持ちで参加してもらえる環境づくりを心がけました。さらに、研修だけで終わらないように、研修後も通信教育やe-ラーニング、座談会なども⾏ってきました。
K.N.
-
また、プロジェクトの初期段階では社内の理解促進に注力しました。社内報やイントラネットを通じて社長メッセージや経営陣のコラム、MIRAIの活動記録などを継続的に発信し、目的や意義の周知とPRを進めてきました。
A.H.
-
MIRAIの社内サイトは、開設当初のアクセス数は全社員の5割程度だったのですが、今では9割近くがアクセスするまでに成長しています。サイトの内容も充実し、社内での関⼼が⾼まっていると感じています。
自由度の高いプロジェクト。社内の声を聞きながら具体策を決定
今は様々な取り組みを進めていますが、具体的な活動内容はどのように決めてきたのですか?
K.N.
-
社⻑直轄のプロジェクトですが、具体的な指⽰ではなく、理念や⽅針に沿う形で⾃由にやらせてもらっています。関係部署との意⾒交換を重ね、リスクや問題点を話し合いながら計画をブラッシュアップし、実現に向けて取り組んでいます。
A.H.
-
そのために、定期的に課題抽出のためのアンケートを行っています。全社員を対象としたアンケートでは、役員、管理職、男性・⼥性社員それぞれの意見を分析し、⽴場による考え⽅のギャップや感じている課題を明確にしています。
K.N.
-
アンケート結果などから見えてきた課題を基に、管理職向けの研修を企画しました。例えば、「子育て中の女性社員にはあまり残業させない」、「負荷の大きい仕事は任せない方が良い」といった思い込みを改め、性別を問わず能⼒と個性を活かす環境づくりを目指しています。
T.A.
-
昨期の研修は特に手応えがありました。⼥性社員とその上司21組でクロスディスカッションをしたんですが、研修という職場から離れた場というだけで、本音で質問ができるんですね。受講者のエネルギーが凄かった。「こう思っていたけれどそうじゃなかった」とか「この配慮は行き過ぎていた」とか、仕事上では聞けない気持ちの部分をお互いに理解し、分かり合えたのではないかと思います。
A.H.
-
私が以前所属していた現場は⼥性が少なかっただけに「⼦育てしているから」という配慮が厚く、とてもありがたい反⾯、スキルアップ したい気持ちがうまく伝わらなかったように思います。そのような状況では、⼥性が管理職を⽬指すことがあまり現実的ではありませんが、今の業務をもっとできるようになりたい、全⼒でやりたいと考えている⼥性は多いのではないかなと感じています。 その先に、管理職になるという⽬標がリアルになってくるのではないかと思うんです。
K.N.
-
そうですね。NICHIAの女性社員は時間などの制約があっても仕事に真剣。責任感と思いやりに溢れていると感じます。私は、この女性たちのパワーを活かし、会社の未来を支え、共に築いていきたいと強く思っています。
T.A.
-
A.H.さんの、「子育てしているから」という厚い配慮、すごく分かります。NICHIAの人はみんな本当に優しいんですよね。私は、会社の中に目に見えないチームワークを感じています。自分たちの会社が女性活躍推進に取り組み始めた、ただそれだけで自分ができることを探したり今までとは違う判断で提案したりと、それぞれがアンテナを張ってくれていると感じます。男性の育児休業利用者も、驚くほどあっという間に増えました。それは、本人の意思だけでなく、周囲の理解や勧めがないと成しえないことだと感じています。
効果は波及する。女性の声を生かし、より良い職場つくりへ
プロジェクトを進める中で、NICHIAらしい女性活躍推進のあり方も変化したのですね。
K.N.
-
はい。当初予想していた以上に多角的な取り組みが必要なのだと気づきました。「女性の教育支援」「働きやすさ・働きがい」「採用」「社内の理解促進」というマトリクスで考え、何をすべきか、何がNICHIAにふさわしいか、どれを優先すべきかを検討してきました。情報を広く集めて精査した結果、実現を見送ったものもあります。
T.A.
-
表面には出にくいですが、検討のための調査というのもチームの重要な業務のひとつです。一見、効果がありそうな取り組みに見えても、他社事例などの情報を調べてみると意外なデメリットに気付くこともあります。
様々な活動をしてきた中で、特に効果を実感できた取り組みを教えて下さい。
A.H.
-
私にとっては、昨年担当した「ベビーマッサージ交流会」です。私⾃⾝も育休を3回取ったんですが、休みの間は会社や社員と疎遠になってしまうんです。交流会は同じ⽴場の⼈に会って⼦育ての悩みを相談したり、先輩ママに復帰後の家事と仕事のバランスなどを聞いたりできるイベントなので、参加者の満⾜度が⾮常に⾼くて、まだまだ話し⾜りないといった声を沢⼭いただきました。
T.A.
-
影響する範囲が広かったのは、新しい作業服・安全靴の導⼊です。女性視点で着心地と軽さや動きやすさにもこだわって選んだ結果、多くの男性社員からも反響がありました。MIRAIの取り組みが男性にとっても良い結果を生むことができるという期待通りの効果が得られた一例でもあります。他には「女性特有の悩みに合わせたお灸教室」の参加率が⾼かったですね。約130⼈の女性社員が参加してくれました。
K.N.
-
「お灸教室」は、「健康経営」の第⼀歩として、⼥性の健康課題を提案・実施しました。はじまりは「⼥性」を切り⼝にしましたが、今後は男女問わず参加できるイベントへと拡げていきたいと思っています。
T.A.
-
それに、実際にやってみると、イベントを離れたところでも効果が出たんですよ。違う部署、違う拠点の社員と話す機会ができたことで コミュニケーションやネットワークが⽣まれ、仕事での連携につながったという声が沢⼭ありました。
次世代のために何ができるかを考える
K.N.
-
今年は何をしようか?(笑)企画を考えるのは楽しいんですよね。
T.A.
-
いつも構想が広がりすぎるくらいです。ただ、どのくらい効果があるのか、どんな順番でやるかは悩むところですね。イベントひとつ開催するにも対象となる人が偏ると不平等感が出てしまうし…。
K.N.
-
そうですね。「⼥性活躍」に求めるものは社員それぞれに違います。育児⽀援を充実させて欲しい人、介護のことをもっと考えて欲しい人、キャリア支援に専念して欲しいという想いも受け取っています。できるだけ全ての想いに応えたいし、何かを後回しにすることは違うと思っています。
T.A.
-
ほんとにそう思います。⻑い仕事⼈⽣の間には、生活が育児や介護中心になる時期、自分が夢中になって打ち込みたい何かに出会う時期、みんなそれぞれのペースがあって、仕事との両立に不安を感じる時が多かれ少なかれあると思います。そんな不安にしっかり⽬を向けて、「これなら働き続けられる」と思えるようなサポートや提案をしていきたいですね。
K.N.
-
そうですね。変えるべきところがあれば、声を上げていきたいですね。そうすればちゃんと受け止めてくれると信じています。 昨年は社長の「イクボス宣⾔」から、本格的に「イクボス推進」を開始しました。そして、⼥性社員の成長支援を進めながら、管理職層に対する働きかけも同時に行っています。 私が入社した頃から、NICHIAには女性が⻑く働ける環境が整っていました。それは前の世代の⼥性社員や経営者が育んできたものです。私たちはそのことに感謝し、次の世代のために何ができるかを考えることが使命だと考えています。これから仲間に加わってくれる皆さんのこと、10年後、20年後のNICHIAがどうあるべきかをよく考えながら、これからも活動を進めていきます。